〈漫画〉昴 銃口の先にある芸術〈口コミ 感想 レビュー〉
昴・ 破滅型天才ダンサーの肖像
Pe-Gueavara Paper
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曽田 正人
昴という漫画。
バレエダンサーの話である。
め組の大吾などに著名な作家
増田 正人氏の著作
であれば、それが天才の成功と苦悩を描いている漫画だと、
気づく方もあるだろう。
曽田 正人
主人公、昴の物語は小学生時代の記憶から始まる。
幼くして大病により病室から出られなくなった双子の弟。
物事を認識できなくなっていく彼に、昴は身振りで日々の出来事を伝えるようになる。
それは病の進行に伴って、
「今日は何も伝わらないかもしれない」
という生死をかけた脅迫に変わり、
暗がりの密室で毎夕繰り返される、戦いの時間になっていく。
その凄まじい日々が、
どうしようもなく子供の昴に、
魂を震撼させる表現力を与えることになる。
引用:昴
その類まれな経験に基づく、
ファンタジックなまでの才能が、
バレエという手段を得て開花する物語。
「ダンスだけ」
彼女の生涯は、意志に関わらず、
バレエに集約される。
それは情熱のような清らかなものではなく、
才能という呪い。
結果を出せば底なく望まれ、
逃げて行き着いた先には、また劇場が待っている。
魂が焼けて焦げた匂いのする、まったく貴重な漫画なのである。
作中、銃口を向けられても平然とする昴の描写がある。
浮世離れした彼女の存在が際立つエピソードであるが、
その実、私には彼女に向かう見えない銃口が常に感じられた。
ダンスの描写は特にそうである。
今、この瞬間にすべてが終わるかもしれない、
今に全てを、今に全てを費やさなければ、
一瞬後には世界が消えてしまう、
大げさでなくそういう危機感が、読者に迫ってくる。
銃口に身を晒すテンションが与える、
破滅的で甘美な芸術。
それに陶酔する昴自身の狂喜を、
バレエを使ってこれ以上なくはっきりと伝えてくる。
読者は本当の観客になってしまう。
全11巻の金字塔。
実はMOONという作品に続くが、それは紹介しない。
昴は、昴だと私は思う。
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— ぺーげばら (@J6Oh6) 2018年5月30日
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